COLUMN //
Forza Motorsport 4
デモ版フライングレビュー
早期配布されたデモ版をプレイしてみた
anzu, 2011/10/2
日本では10月4日の18:00頃より配信される予定の
Forza Motorsport 4だが、Turn10のコミュニティマネージャーのAyo
Jubeより早期デモ版のダウンロードコードをいただいたのでさっそくプレイしてみたので、プレイしてみたその内容についていくつかお届けしたい。特に今
回は東京ゲームショウなどでのステアリングコントローラーでのプレイができなかったりと事前情報が少ないこともあり気になっている方も多いだろう。
クイックレース Ferrari 458 Italia
■画質について
プレイ中の解像度は今回も1280x720。プレイ中の
画質は見た目には、劇的…というほどまでには改善されていないように見える…のだが、細かく見ると劇的に質感が向上しているのがわかる。特に他車のポリゴ
ン数の改善は圧倒的で、XBOX360に搭載されているGPUの機能であるテッセレーターが効果的に働いているのがよくわかる。また光沢感などもとてもよ
くなっており、地道なアップデートが功を奏したという感じだ。

AIのタイヤですらこのクオリティ。アストンマーチンのタイヤロゴと溝まで描写されている
もちろん、リプレイ画面やフォトモードなどではなく実際のプレイ画面だ
具体的には、プレイ中の他車のドライバーやタイヤなどの
ポリゴン数が圧倒的なまでに増えているのだ。Forza3では、言い方は悪いが、フォトモード以外でのプレイ中の他車についてはForza2並のポリゴン
数でレンダリングされていたように思うのだが、これがForza4では劇的に改善されている。デモ版では最大12台が同時走行するのだから、
XBOX360のクオリティを極限まで引き出しているということなのだろう。
クイックレース Subaru Impreza WRX
STi (w/Cluch & H Shifter)
デモ版ではAutovistaモードなどは搭載されてい
ないものの、車両選択時のハイポリゴン表示は用意されているので、垣間見ることはできる…のだが、すべての車両で用意されており、これはおそらく
Forza3と同レベルのもので、超ハイポリゴン化されたAutovista用のモデリングではないものと思われる。どうせなら1つくらいは
Autovistaが収録されてもよかったのではないだろうか。
クイックレース Mercury Couger (w/Cluch & H Shifter)
■挙動について
(設定はステアリング:シミュレーション、タイヤ、燃料消費:シミュレーション、Fanatec Porshe 911 Wheel
turbo-Sを使用)
挙動は大きく変わっている。基本的には変わっていないの
だが、何が大きく変わっているのかといえば、タイヤやサスペンション、ダンパーといった足回りのシミュレーションが大きく変わったのではないかと思われ
る。
Forza3では、横のグリップが非常に大きく、グリッ
プを失うとつるつると滑っていく感覚だったものが、Forza4では、横のグリップがForza3と比較して小さくなったものの、グリップを失った後も
ちゃんとタイヤがゴムであることを感じさせるような挙動になっているという感じだろうか。グリップとスリップの間にある中間レベルの解像度がググッと上
がった感じだ。家庭用ゲーム機のレベルでここまでの体験はしたことがないレベルのものだといえる。
ライバルモード Blitz Pass Ferrari
458 Italia
これにより、Forza3ではこれまで体験することが難
しかっ
た、微妙なアンダーステアで外に少しずつ膨らむ感覚であったり、スリップとグリップの中間点ともいえる滑らせながらのベストグリップが体験できるように
なったように思う。
Forza3の感覚でForza4のデモ版をプレイする
と、妙にア
ンダーステアが出てしまい、外へ外へ押しやられてしまう。これは特にFerrari 458
Itariaで感じられた。Forza3では突っ込んでも、ぐんぐん頭をねじ込んで曲がってくれたが、同じ調子で操作をすると、ライン上をキープできない
状態だ。また、同様にForza3では、あまりカウンターステアの出番が少なかったかのように思うが、今回はカウンターステアをはじめ、かなり微細なステ
アリング、アクセルワークが必要になったと感じた。
ただ、Forza3のタイヤ周りの挙動が正しくなかった
かというとそういうわけでもないように思う。どちらかというとForza3は、非常に柔らかいコンパウンドのレース向けのタイヤを履いているような挙動と
いう感じだったように思う。その挙動自体は破たんしているわけではなく、Forza4で装備されるタイヤの質がより硬めで一般的な市販タイヤに近いものに
変わった。つまり単にタイヤの性能に対する方向性が変わったとみるべきだろう。簡単に言えばForza3とForza4ではタイヤメーカーが変更されて乗
り心地、フィーリングが変わったというようなイメージだ。ただ、どうせなら、Forza2のように、Forza3のタイヤフィーリングにも変更できるよ
う、タイヤメーカーの変更機能なども残ってくれればありがたいのだが、どうやら製品版でもForza2のようにタイヤメーカーの変更はできるようにはなっ
ていないようだ。
ライバルモード BMW F10 M5 (w/Cluch & H Shifter)
しかしながら、デモ版ではストック状態でチューニングを
変更することはできず、キャンバー角度はほぼ水平の状態であり、よりアンダーなセッティングであると考えられるので、チューニングが可能となった製品版で
キャンバー角を変えてプレイするだけでも、更にグリップが上がることは容易に想像でき、また、ノーマルスポーツタイヤではなく、レーシングスリックにした
ときの挙動は気になるところだ。Pagani Zonda
C3はレーシングスリックを履いていると思われるが、この車は空力を使ったコーナリングマシンというよりもストップアンドゴーの加速マシンといったイメー
ジで、突っ込むとやはり強烈なアンダーが出る。ただ、うまく減速しグリップさせることでラインをなぞるように曲がることができたので、こちらもやはりセッ
ティングの変更ができる製品版では、より高いグリップを発揮できそうだ。
Couger、BMW、Ferrari 458 Itaria、Pagani Zonda
C3、のFR/MRの4車種については、ラフなアクセルワークは厳禁。ストック状態でLSDが働いていない、または搭載されていても高い数値で変更できな
いこともあるのだろうが、コーナリング中、コーナリング後の立ち上がりでラフなアクセルワークをすると簡単にリアタイヤが滑って流れてしまう。こちらもタ
イヤやサスペンションのシミュレーションの変更による挙動の変化だと思われるが、Forza3からさらにより自然な印象だ。Ferrari
F40などどっかんターボ系の車種がどういう挙動をするのか、今から楽しみである。
※後から気づいたのだが、今回のデモ版に収録されるコー
スは気温がマイナス4度という設
定のため、2周ではタイヤが暖まり安定する前にゴールしてしまうので滑っているのかもしれない。ライバルモードのタイムアタックでは、この為か、やはり5
周、6周と走ると安定していく傾向がある。ただ、それでもForza3ほどの横のグリップは得られてはいないような気がした。その為、タイムアタックなど
は2周目まではタイヤを温め、アタックラップは3周目以降に行った方がいいかもしれない。

マイナス4度の表記がある点に注目
ライバルモードタイムアタック Pagani Zonda
C3
タイヤの温度に注目、アタックは3周目以降
パッドでのプレイはForza2/3/4とほとんどプレ
イしていないので比較することもできないのは容赦願いたい。しかしながら、パッドでもよりシビアな操作が要求されるシミュレーションモー
ドが追加されたことで、パッドでのプレイでアシストが入ってしまっていたことに不満を持っていた方は、シミュレーションモードを試してみると良い結果が得
られるかもしれない…が、場合によっては悪い結果も出てくるかもしれない。
■FFBについて
Fanatec Porsche 911
turbo-S
Wheelでプレイした限りは、Forza3よりもダイナミックなFFBになっているように感じられた、Forza3ではかなり繊細であり、FFBのパ
ワーが足りないように感じていたのだが、それがより力強いものとなったように思う。またタイヤシミュレーションが変更されたからか、そのFFBのフィーリ
ングの質も変わっている。FFBに関しては、良いか悪いか…というのは各個人のフィーリングの問題であるので明言は避けたいが、個人的には、より大きな
フィードバックが得られるようになったことで、好感触であったように思われる。
※Fanatecのステアリングホイールのうち、911
turbo-S、GT2、CSRの3つは共通部品で構成されているためほぼ同等の感触だと思われる。
■AIについて
AIはProfessionalで遊んでいたのだが、こ
ちらは大きな変化は特に見られない。クイックレースでは12台中11位から始まり、2周しかできないこともあり、クリーンなレースを心がけると1位になる
のは難しいものの、1位の車よりも速く走れてしまうので、もう1段速いAIがあってもいいように思った。相変わらずAIごとに癖があるのか、アウト側から
仕掛けても押し出してくる癖のあるAIや、インを占めたがるAIなど、各AIごとに味付けがあるようにも感じられた。Easyなどにするとコース外に吹っ
飛んでいくAIも散見されたので、AIに関しては、おそらくForza3からそれほど変更はないのではないかと思われる。

タイム的には1位のベストラップを下回っているが、
トラフィックのなか、オーバーテイクをしてもコンマ5秒しか差がないので
A.I.Professionalよりも人間の操作の方が速い。
さて、ざっくりで
はあるが、Forza Motorsport
4のデモ版の1stインプレッションはこんなところだ。とにかく細かいところがブラッシュアップされており、レースではA.I.の数が11台に、
Blitz Passなど新たな形のレースも用意され、本作品の製品の発売が待ち遠しいばかりだ。
日本では10月3〜4
日の夕方頃には本デモ版がゴールドメンバーシップの方に向けて無料で先行配信され、その後、追って10月7〜8日の夕方頃にはシルバーメンバーシップの方もダ
ウンロードができるようになる予定だ。10月1日にUstreamの方でダダ漏れ状態でプレイ動画を流していたところ、特に宣伝もせずに述べ2000人以
上ものユーザーが訪れてきた。それだけ期待度が大きいということだろう。とにかく気になっている諸兄はひたすら首を長くして待っていてほしい!
追記)
書き忘れていたいくつか追記しておきたい点があるのでお伝えしたい。まずはフレームレートの話。フレームレートは60fpsでフレーム落ちもおそらくないものと思われる。ただ、負荷軽減の為か、ミラーに映し出される映像は30fpsに制限してあるようだ。
ミラーに関しては
もう1つ、バックミラー、ルームミラーは当然として、サイドミラーも後ろの相手が非常によく見える位置に調整されている。Forza3ではほとんど使い物
にならない方向を向いていただけに非常にうれしい変更だ。Kinectを使ったヘッドトラッキングやマルチモニターユーザーであればこれらのミラーを有効
に使うことができるだろう。
それともう一つ、車両モデリングの部分について。まずはこの動画を見てもらいたい。
Mercedes SLS AMGをよーく見ていると…
どうだろう、お分
かりになっただろうか?リトラクタブルウィングが稼働しているのである。この映像ではMercedes BenzのSLS AMGであるが、Audi
R8も同様に動作していた。ただ、Audi
R8の場合は、より遅い速度でフリップアップしてしまっていたため映像に収めるのは難しかった…ということは、各車によって、きちんと稼働するタイミング
が設定されていることが判明した。これは地味ながらも、Forza3からの驚きのアップデートだ!もちろんこれはリプレイ映像ではなく、プレイ時の映像
だ。
このように
Forza Motorsport 4は細かいアップデートもかなりの数が施されているようだ。Forza Motorsport
3の時点で、もはや限界だったのでは?と言われていたXBOX360の本体性能だが、まだまだこれほどまでの余力があったのかと驚かされる。
〜おまけ〜
Blitz Passは無限に車がいるように見えるが、そのロジックは、自分の車以外の10台がロードされ、あるチェックポイントを通過したときに現在表示されている画面範囲から遠い車が消え、手前にロードされていくというようなロジックとなっているようだ。
10台ほどひっくり返してその場に固定させてみたところ、この近辺のチェックポイントで新たな車が追加されて出てくることはなかった。どこまでやれば処理落ちするかを見てみたかったのだが、無限に車がでてくるわけではないようだ(笑)
ピットインしたり、自分の車からかなり距離が離れてしまうと消えてしまうので、何台出てくるのかをチェックしたい人は要注意!
10台ほどひっくり返したら、その後は車が出てこなくなった
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