| パーツのアップグレードを利用して、スポーツ用のトランスミッションを取り付けると、ファイナルギア、つまり、1〜5/6
速までのギア比はそのままに最終的な最高到達速度を変更することができます。通常、サーキット程度の直線では加速のために必要な距離が短く、
300km/hを超えるような速度をストレートエンドで出すことは難しいと言えるでしょう。例えばこのF430の場合、鈴鹿サーキットの直線では、
260km/h程度を出すのがやっとです。だとすると、6速に入れたとたんにブレーキを踏むことになってしまうので、効率よくエンジンの出力を使いきれて
るとは言えません。

これがチューン前の設定です。
まず6速の最終到達速度が300km/hを超えているのが読み取れます。(1マス約35.2km/h)
せっかくの6速ミッションがもったいないので、これを鈴鹿のメインストレートでの最高到達速度である260km/hにあわせます。
そして、更に、より高い回転数を維持し、各ギアで、より高い出力を得られるように変更するとこのようになります。

ファイナル1.53 / (1)8.00 / (2)5.95 / (3)4.80
/ (4)3.94 / (5)3.26 /(6) 2.73
ギア比は数値を大きく(加速寄りに)すると、1速毎で扱う速度の範囲狭くなるので、バーの傾斜が急になり、小さく(最高速度寄りに)すると、1速毎で扱う速度の範囲が広がるのでバーの傾斜が緩やかになります。

赤いバーがチューン前、黄色いバーがチューン後のギアの設定です。こうしてみると、チューン前よりもチューン後の方が、より高い回転数でより高い出力を得られていることが、簡単に読み取れると思います。
この変更により、エンジンはそのままなのですが、各ギアにおける平均出力が上がり、加速力が大幅に増加したことになり、これはタイムに直結すると言っても過言ではないでしょう。
このチューンは、こういった高回転型のエンジンでのみ使えると言うものではなく、WRX
STi 05の様な、パワーバンドの広いエンジンであっても、より高出力となっている狭い範囲にパワーバンドを更に絞ることにより、平均出力を上げることが可能で、タイムもそれにより直結してくるでしょう。

例えば、WRX STiでは、各ギアの利用範囲を5500-8000回転としていたものを、6000-8000回転を利用するようにギア比を変更すれば、ギアを変更した直後もより高い出力を得続ける事が可能になるわけです。
ただ、この様にパワーバンドの広いエンジンの場合は、無理に6速全てを使い切るのではなく、5速や4速で最高速に到達して
しまうように変更してしまったほうが有効に働く場合があります。それはなぜか、ギアを上げるときには、かならずロスが生じます。これは時間的なロス・加速
的なロスです。
時間的なロスは単純にギアを変える為に必要な時間で、レース仕様のトランスミッションとクラッチであれば非常に短い時間で変更ができます。
加
速的なロスは、ギアを変更するには、一度エンジンからの出力をカットしなければならないという点で、出力をカットすると言うことは、一時的に慣性のみで進
むこととなり、これは減速につながってしまうわけです。つまりギアを上げる為に、いったん加速が止まり一時的に減速している状況となるわけです。
この2つのロスを合計した時間はコンマ数秒と1秒以内のほんの些細な時間に見えるかもしれませんが、レース中には何度シフトアップをしているでしょう?1周でコンマ1秒や2秒変わってきてもなんらおかしくはありません。
つまり、このシフトアップ(ダウン)の回数を減らし、シフトアップに要するロスタイムが6速全てを利用して平均出力を上げ加速力を上げたタイムを上回ると、5速(4速)で走った場合の総合タイムの方が速くなるという可能性を秘めているわけです。
例えば、シフトアップに要するロスタイムが+1秒で、平均出力を上げたタイムが-1秒であれば相殺されタイムは変わりません。
平均出力を上げたタイムが-2秒であれば1秒速く走れることになり、逆に-0.5秒であれば、ロスタイムが上回ってしまい、+0.5秒となって逆効果になってしまうわけです。
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