汎用のPCは既にWindowsPCが世に席巻し、
Appleを除く、他のメーカー、ベンダーが次々と失敗している中
PS3は汎用PCとして世に進出できるのだろうか?
スペックとして疑問に感じられる店は
メインメモリーが256MBしかないこと。
これは汎用PCにしては少なすぎる。
廉価なPCは256MB程度しか搭載していないだろう?と思った方、
汎用PCでは増設することができるのである。
しかし、発表されたPS3には追加ソケットは無く、
残念ながらメモリーを拡張する事が不可能である。
これでは、OSのロードと1つのアプリケーションで
メモリーがいっぱいいっぱいになってしまい、
快適なPC環境とは決していえるものではないだろう。
そして、万が一増設できるようになったとして、
業界非標準であるXDR-DRAMが単体発売される可能性は少なく、
また、Sony純正オプションとして販売されたとして、
その価格が1メーカーが独占して販売すると言う事で
今の汎用PCの部品のように廉価に販売されるとは考えにくい。
CPUに関してもLinuxとは言え、GUI(*1)をSCEI自身で拡張し
3D-GUIを持ってくることは比較的簡単に推測されるわけではあるが、
これは絶対に必須であると言える。
なぜならば、CELL自体の汎用CPU部である
PowerPC970カスタムであるPPE(*2)が異様なまでに遅いのである。
つまりGUIをドライブしてたのでは、プログラムを動作させる
パフォーマンスが更に削られてしまい、汎用PCとしての
能力不足は確実になるからである。
なぜ3Dにすれば、これが改善されるのかと言えば、
GUIの処理をRSX(3*)とSPE(*4)に投げる事により、
PPEはその能力をGUI描画の為に犠牲となる事無く
プログラムの演算を任せる事ができるようになるからである。
*1 グラフィカルユーザーインターフェースの略
*2 PPEはPowerMacG5等に搭載されるPowerPC970
をカスタム化したものではあるが、相当にデチューンされており
そのパフォーマンスはPentium4の1/5程度とも言われている。
つまり3.2GHzと高速に動作しているものの、Pentium4の
640MHz程度と同等であるということになる。
またAthlon64比であるとPentium4よりも更に酷く
Athlon64であれば、420MHz程度のものであると言える。
*3 RSXとはPS3に搭載されるGPU(グラフィクスプロセッサユニット)
の事で、GeForce7900GTXよりも高いパフォーマンスを持っている
とは言われているが、グラフィクスメモリーとの接続バスが
GeForce7900GTXの半分である128bitであるが為に
そのパフォーマンスはGeForce7900GTX以下なのではないかと
言われている。
もちろんPPEが遅い遅いとは言っても、
それは汎用CPUとして見た場合の話であり、
例えば整数演算ではAthlon64の1/10程度のパフォーマンスしか
出ないと推測されるが、SPEを存分に利用した浮動小数点演算の場合は、
Athlon64やPentium4、Core、Core2プロセッサの数倍の
パフォーマンスをたたき出す事ができるわけだ。
しかし、だからといって問題なのは、例えば、ワードやエクセルで
SPEを利用した演算ができるのか?と言う事だ。
いわゆるゲーム以外のオフィス関連ソフトでは、
その殆どが整数演算で処理されており、単純にPentium4や
Athlon64と比べるとあまりにも遅いのである。
つまりPCとして売るとしても、こういったオフィス関連の
ソフトウェアとしては、WindowsやMacと比較して、
なんら秀でている面は無く、
一般的なアプリケーションを利用するにあたって
PS3というハードウェアには一切の魅力がない事になるわけだ。
逆にエンターテイメント分野のクリエイティブアプリケーションは
浮動小数点演算が多用されており、たとえばグラフィクス関連や
ビデオ編集等は、CELLの能力を遺憾なく発揮できると思われる…
のだが、残念な事にこの分野は、メモリーの搭載量が物を言う分野で
はっきりいって256MB程度では、お話にならないと言わざるを得ない。
と、こうして考えていくと、どうしてもPS3が汎用PCとして成功するとは
考えにくいのである。
PS3は、あまりにもゲームに特化されすぎていて、
PCとしてみれば非常にバランスの悪いCPUに、
信じられないほど少ないメモリー
そして拡張性が一切無いとくれば、一般的に考えられているPCとは
かけ離れた存在となっており、どうしても汎用PCとして売れる!
という要素が全く無いのである…。
ただ、これらはあくまでハードウェア面から見た話であって、
例えばAppleのMacがなぜある程度の販売量を確保しているのかを
考えてみると、ハードウェア面の利点ではなく、
ソフトウェア面の利点から、ある一定量の販売数を確保しているわけだ。
例えばそれはiLife(iTunes/iMovie/iDVD/iPhoto)であったり
OS自身の使い勝手であったり、どちらかと言うと、
パフォーマンス面でMacを選んでいる人は少ないと言えるだろう。
"Macだからできること""Macでしかできないこと"の為に
Macというハードウェアを選択しているにすぎないわけだ。
PS3にも、こういったキラーアプリが出現する事によって、
汎用PCとしてもある程度は成功できるかもしれない。
ただ、私には残念ながらSPEとRSXの能力を存分に発揮させて
あの少ないメモリーの中で何か素晴らしいアプリケーションが
できるとすれば、私の貧困な脳みそから算出された答えは
3Dゲームや物理シミュレータしかないのではないか?
という答えしか出てこないのである…。
ただし、PSPとTVチューナーやロケーションフリープレイヤーと
連動させる事により、より面白いコンテンツができるかもしれない。
こういった事によりiPod+Appleを目指しているのだろうか…?
とにかく前途多難といわざるを得ない汎用コンピュータとしてのPS3
あなたは買いますか?
ちなみに私は、このPS3はPCだよ宣言がある前までは
高い方を初日に買おうと思ってました。
(intel Mac miniを衝動買いしたように…。)
それはハードウェアとしての興味とリッジレーサー7がやりたい!
と言うものでしたが、こうまでPCだよと宣言され、かつ
ハードウェアの拡張もありうると宣言された今では、
購入意欲は激減です…。やっすいのでもいいかなーとか…。
購入の意欲は著しく落ちました…。